鳥取地方裁判所 昭和33年(行)2号 判決 1964年4月24日
原告 有限会社高林房太郎商店
被告 米子税務署長
訴訟代理人 上野国夫 外一〇名
主文
被告が原告の昭和二九年七月一日から同三〇年六月三〇日までの事業年度分法人税額につき、昭和三〇年一一月二五日付を以て金一、九六二、八三〇円となした更正決定(但し、同三三年一〇月三日付審査決定により基本法人税額につき金六七、四〇〇円、加算税額につき金四、五〇〇円が取消された)は金一、八五五、〇六五円をこえる部分につきこれを取消す。
原告のその余の請求を棄却する。
訴訟費用は三分し、その一を原告、その余を被告の負担とする。
事実
第一、双方の申立
原告訴訟代理人は「被告が原告の昭和二九年七月一日から同三〇年六月三〇日までの事業年度分法人税額につき昭和三〇年一一月二五日付を以つて金一、九六二、八三〇円となした更正決定(但し、三三年一〇月三日付審査決定により一部取消済)は金一、七九〇、三九〇円をこえる部分につきこれを取消す。訴訟費用は被告の負担とする。」との判決を求め、
被告訴訟指定代理人は「原告の請求を棄却する。訴訟費用は原告の負担とする。」との判決を求めた。
第二、原告代理人は請求原因として次のとおりのべた。
「一、原告は金物、度量衡器、計量器等の販売を主たる目的とする有限会社である。
二、原告は昭和二九年七月一日から同三〇年六月三〇日までの事業年度分法人税額を金一、七九〇、三九〇円と確定申告したところ、被告は昭和三〇年一一月二五日付を以つて右法人税額を金一、九五三、五八〇円、加算税額を金九、二五〇円と更正し、その頃原告に通知したので、原告は昭和三〇年一二月一七日右処分につき被告に再調査の請求をなしたが、これが後に審査請求とみなされ、昭和三三年一〇月三日付を以つて広島国税局長は右更正処分中法人税額金一、八八六、一八〇円及び加算税額四、七五〇円をこえる部分を取消す旨の審査決定をなし、その頃これを原告に通知した。
三、しかしながら、原告の昭和二九年度(以下本件年度と略称)の法人税額は原告申告のとおりであつて、被告の更正処分(審査決定で取消されず維持された部分)中右申告額をこえる部分(後記役員報酬額否認の部分)は違法であるからその取消を求めるため本訴に及んだ。
第三、被告指定代理人は答弁及び主張として次のとおりのべた。
(答弁)
請求原因一、二項は認めるが三項は争う。
(被告の主張)
一、原告は法人税法第七条の二、第一項第一号に該当する同族会社であるところ、本件更正処分(審査決定により維持された部分)の内容は、原告の申告額を所得金額金四、二八〇、一〇〇円、留保金額金九三五、七〇〇円、法人税額金一、八八六、一二〇円と決定するものであつてその算出根拠は別表(A)記載のとおりである。
そして、更正の理由は原告が本件年度の申告において損金として計上していた役員報酬額中不相当部分を次のとおり法人税法第三一条の三により否認し、利益金に加算したものである。即ち、
確定申告年額 更正決定(審査決定により取消済のもの)による否認額(認容月額)
代表取締役 高林房太郎 三六〇、〇〇〇円 八四、〇〇〇円(二三、〇〇〇円)
監査役 高林むめこ 三六〇、〇〇〇円 一五六、〇〇〇円(一七、〇〇〇円)
二、前記更正(否認)は次の理由によつて適法である。
原告の前記両役員に対する報酬は不当に高額である。即ち、原告の業種、業態規模は別表一記載のとおりであるところ、これに類似するものとして、(A)広島国税局管内に納税地を有する法人並びに(B)原告の納税地である鳥取県と経済力の類似する福島、熊本、島根、佐賀の四県及び鳥取県の五県内を納税地とする法人中、金物卸売を業とし、本件事業年度において年間売上金額が三千万円以上三億円未満である法人を調査したところ、これに該当するものが別表二記載の七一法人(広島国税局管内単位による抽出の四八法人(内同族会社三九)と前記五県単位による抽出の同族会社二三法人)あり、右各法人(以下比較法人と略称する)と、原告会社につき原告の役員報酬月額前記二名の外に専務取締役高林健治四万円を基準とし、役員一人当りの平均報酬月額の平均値、売上及び給与総額(役員報酬を含む)に対する役員報酬の各割合を対比すると別表三のとおり原告の役員報酬が比較法人に比し高額なことが明らかであり、右は房太郎及びむめこに対するそれが高すぎることによるものであつて、右額中適正額をこえる部分は、法人税法第三一条の三により損金への計上を否認すべきである。
三、そこで、右適正額は原告会社のみの利益その他の事項だけから算出することは困難であるから比較法人の報酬との比較により定めることを相当とするので以下考えるに、
(一) 房太郎関係
同人は原告会社の代表取締役(社長)であるが、年令も既に老年に達し(当時六五才)第一線を退き会社業務統轄は長男の専務取締役である健治に一任し、自らは同人を助言する程度の名義上の社長であるにすぎず、会社業務は殆んど行わず、会社専務室内にも同人の机は配置されておらず、殆んど自宅(房太郎及びむめこは原告会社の事務室の二階を自宅として使用している)に閉じこもり会社業務(金物、度量衡器、計量器等の販売が目的で製造ではない)に関係のない個人的研究とみるべき改良焚口の研究に従事している。そこで、このことと前記原告会社の業種業態規模を前提として比較法人の報酬と比較すると、
(1) 比較法人役員中右房太郎同様、会社の統轄業務を行つておらず、且つ、当該会社において二番目の高額報酬の常勤役員に対する平均報酬額の平均値を調べると別表四(1)のとおりである。
(2) 比較法人中、原告の使用人数一四名を基準として類似の使用人数一〇名以上一八名の法人の二番目の高額報酬常勤役員に対する平均報酬月額の平均値を調べると別表四(2)のとおりである。
(3) 比較法人中、房太郎の前記年令を基準として、年令六〇才以上の男子常勤代表者(社長)の平均報酬月額の平均値を調べると別表四(3)のとおりである。
(4) 更に、房太郎の職務内容及び勤務状態と最も類似すると認められる役員の報酬と対比するため、前記比較法人中より社長(代表者)であるが高令に達し、しかもその他の役員より低い報酬しかえておらず、会社業務の第一線を退いて会社業務の統轄者の顧問的な程度の勤務状況であると認められる役員の平均報酬月額の平均値を調べると別表四(4)のとおりである。
(二) 高林むめこ関係
同人は房太郎の妻であつて、原告会社の監査役であるが、現実には監査業務には殆んど従事せず、(同族会社での通常事例)むしろ主として使用人の職務に従事し、常勤の上金銭出納の監理、売上伝票の整理等の会計事務の一部を担当しているものであるが、経験年数は二〇年以上であるので右の事実を基準として前記比較法人中からこれと類似する者を抽出してその報酬月額を調べると、
(1) 右比較法人中、常勤監査役の平均報酬月額の平均値は別表五(1)のとおりである。
(2) 前記比較法人中、常勤女子役員の平均報酬月額の平均値は前同表(2)(A)のとおりであり、その内、経験年数二〇年以上の者のそれは前同表(2)(B)のとおりである。
(3) 前記比較法人中役員の妻が常勤役員又は使用人となつている場合で、経験年数二〇年以上の者の報酬又は給料平均月額の平均値は前同表(3)のとおりである。
四、以上のとおり比較法人の報酬及び給与を種々の観点から勘案してみても、前記房太郎、同むめこに対する役員報酬の適正額は、被告が認めた月額(審査決定により取消されなかつた部分)即ち、房太郎につき金二三、〇〇〇円、むめこにつき金一七、〇〇〇円をこえるものでないことが明らかである。従つて、右こえる部分について損金への計上を否認したことは相当で何等違法はない。
第四、前項に対する認否及び主張として原告代理人は次のとおりのべた。
(被告主張一につき)
否認された報酬が適正故にこれを益金に計上した点を争うが、その余の計数の基礎項目、数額については全部これをみとめる。
(右同二乃至四につき)
次の主張に抵触する限り全部争う。即ち、
房太郎、むめこ共に現業常務の役員で房太郎は午前八時から午後五時迄、むめこは午前八時から午後七時迄勤務し、
房太郎は、(イ)改良焚口の研究製造専任担当、(ロ)営業上の重大事項の協議、(ハ)古鉄売買の部門の専任担当、(ニ)製材関係のトロ車輪、製材定矩等機械道具の発注、販売の専任担当、(ホ)取引先の選定の協議、(ヘ)借入金の保証等を職務内容とする。なお、(イ)は会社の営業内容であつて房太郎の発明に係り目下発売中特許出願中であり、被告主張の如く営業に無関係な個人的研究ではない。
むめこは、(イ)金銭出納部門の専任監査担当、(ロ)金融交渉についての専任監査、(ハ)売上伝票と倉庫伝票の照合並びに売上伝票検算部門の専任監査、(ニ)商品売買監査及び客の応待、(ホ)営業上重大事項の協議、(ヘ)従業員の指導、(ト)取引先の選定の協議等を職務内容とする。
抑々役員報酬適正額は法人所得の中から如何程を必要経費として差引くことが妥当か否かの面から決定さるべきもので、原告の如き他に例のない程少数役員で会社業務を掌理して高収益をあげているのを常態とする法人にあつては低収益の他法人に比し、右差引くべき必要経費は必然的に大きくなるべく、かつ小人数からなる役員の報酬も高額となるのは当然である。
第五、証拠関係<省略>
理由
一、請求原因一、二の事実中原告主張の更正処分の存在については成立に争のない甲第一、二号証により明らかに認められ、その余の事実については当事者間に争がないので、進んで被告主張の更正決定の適法根拠につき考えるが、(被告の主張一)につき争がないので同主張二乃至四の高林房太郎、同むめこに対する報酬額損金計上の否認の適否につき以下考える。
二、法人税法三一条の三の規定は同族会社においては通常利害相反しない少数同族株主が過半数以上の株式数又は出資額を所有しているため、非同族会社の如く株主一般又は株主相互間と経営者の利害対立により自ら経営者による恣意的行為、計算が抑制されるということがなく、かかる恣意的行為、計算のため法人税負担を不当に免れしめる虞があるので、このような結果を防ぐために設けられたものであつて、当該行為又は計算が否認さるべきものであるか否かは当該会社の企業の諸条件が同一若くは類似する他の法人(以下比較法人と略称。右の意味において非同族会社が理想的であるが諸条件類似という制約があるため比較法人の数を集めるためには多少の同族法人を入れることもやむをえない)における同一若くは類似の行為計算と比較し、比較法人において一般的になされている行為計算を著るしくこえるものであるか否かにより判定する外はない。而して本件の如く会社の適正な役員報酬金を求めるための比較法人選択についてはその基準となるべき企業の類似要素として業種目規模としての人的物的組織(役員数構成、使用人数、資本金等)売上金額業態としての小売、卸売の別、収益状況(売買差益金額、営業利益)使用人給料支払状況、その他立地条件等によるを相当と解すべく、然る後に右比較すべき法人の役員中類似した役種、勤務状態の者の報酬支払状況と比較して定むべきである。
三、これを本件についてみるに、先づ、成立に争のない甲第一号証、第四号証、同第七号証の二、第八号証、乙第一〇号証及び証人高林健治の証言により成立を認める甲第六号証の一、二、同第七号証の三、四、同第一一号証の一、二、同証人の証言及び原告代表者房太郎の尋問結果並びに弁論の全趣旨を綜合すれば、原告代表取締役高林房太郎は同むめこと共に大正一〇年頃から個人で金物商を営んでいたが、昭和一六年頃有限会社高林房太郎商店を設立したもので、本件事業年度頃における営業目的は「金物、度量衡器、計量器及びこれに附随する物品の販売、右に附帯する一切の事業」と登記されているが、現実には右商品の販売の外、古鉄、トロ車輪の売買を少量乍ら営み、本事業年度以降は房太郎考案発明にかかる籾穀燃焼品の製造販売をも行つていること、資本金は昭和二七事業年度は金一八〇万円、同二八年度以降金三五〇万円となつたこと、役員は本件事業年度において代表取締役社長として高林房太郎、専務取締役としてその長男健治、監査役としてその妻むめこの三名でいづれも常勤役員で、房太郎夫妻は会社営業所の二階を住居にあて、健治は近所の住居から通勤していること、これらの者の報酬月額は健治四万円、その余の二名が各三万円である外、別表一で被告が主張するとおり売上金額九五、二一八、〇〇〇円、売買差益金額一一、〇一八、〇〇〇円、確定申告所得金額四、〇二四、〇〇〇円、営業利益金額四、五三五、〇〇〇円、期末現在使用人数一四人、使用人給与総額一、四九〇、二八八円(以上いづれも原告会社が被告に提出した確定決算書によつた)であることが認められ、他に右認定を覆すに足る証拠はない。
四、次に報酬額決定の前提として房太郎、むめこの労働(職務)の内容、質、程度、その法律的性質についてみるに、
(一) 房太郎について、
前項掲記の証拠及び証人高林健治の証言により成立を認める甲第五号証の一乃至八及び証人田渕祐一、同三沢良夫、同山脇武の証言を綜合すれば、房太郎は個人営業以来五〇年の金物類、測量機器、計器類の卸、小売の経験を有し、原告会社設立当初から代表取締役の地位にあるもので、自ら右商品に関する仕入、販売、金融等における会社代表、社内業務の監督、統轄をなして来たが、昭和二七、八年頃より従来房太郎が興味を持ち研究していた籾穀燃焼装置を将来製品化して原告会社において専売する意図の許に、これが研究に専心することとなり、会社勤務時間の大部分を倉庫内に設けられた研究室で右研究に従事し、前記社内業務統轄の大部分と通常中、小口取引の対外交渉等を専務取締役の長男健治に事実上行わせているが、同人は商業経験において房太郎には及ばないので、大口又は高額取引の交渉、資金の借入等の重要業務については房太郎自らその衝に当り他よりの借入金については例外なく個人保証をなし、中古鉄及び屑鉄、トロ車輪取引についてはその全部(但し売上金額からすれば全売上金額の約一分位のもの)を自らが担当し、なお、前記事実上健治に行わせている業務についても、随時相談にのり指導していることが認められ、右に反し、房太郎は統轄業務を一切健治に一任し、単なる後見的役割をなしているに過ぎない旨及び燃焼器研究は個人的研究である旨の被告主張に則う証人有元猛、同藤井正雄、同清水五郎、同米沢久雄(一、二回)の証言部分は伝聞或は意見的部分が多く前掲認定の各証拠に対比し直ちに措信しがたく、他に右認定を覆すに足る証拠はない。なお、房太郎の籾穀燃焼装置の研究について附言するに、会社代表者が会社から労働の対価たるべき報酬を受くべき業務内容が対外的会社代表及び対内的業務監督に止まらなければならない根拠はなく、それが会社の目的に反しない行為であり(右目的の範囲内なることは特段の反証なき限り定款記載以外の行為であつても右目的の範囲内と推定されること学説判例の認めるところである)且つ取締役会で明示的、黙示的に決定された社会意思を執行する限りにおいては代表者自身の特殊技能活用自体が会社業務と認められることもあるわけであつて、前記認定事実及び前掲証拠より認められる、その後、房太郎考案の燃焼器が同人名義で実用新案登録を得、原告会社より製造販売されている事実よりすれば、房太郎自身の特殊技能たる考案研究が会社業務と予め黙示的に決定されていたことは容易に推定しうる処であり、これが原告会社の業務外の単なる個人的趣味の追求行為であることの特段の事情を認めるに足る証拠はないから、前記被告主張は採用し難い。以上のとおりであつて、前認定の房太郎の労働は全部原告会社の業務執行行為であると認めるを相当とし、代表取締役としての会社への寄与貢献は必ずしも事実的な業務監督の時間量に左右されるわけではないから、房太郎はまず、通常の意味における代表取締役の範疇をはづれるものではないというべきである。
(二) むめこについて、
前(一)項掲記の証言及び原告代表者本人の尋問結果によれば、むめこは原告会社設立以来その役員として原告会社の業務に従事して来たもので、本件事業年度においては監査役として常勤しているが、監査役本来の職務に従事したことは殆んどなく会計監査は会計士に委ね、自己は殆んど金銭出納、会計帳簿の記帳整理、商品の販売、来客の応接、右業務を担当する使用人の監督、指導等の職務に従事し、なお、時折借入金の操作、取引先の選定等に関する他の役員との協議等に従事していたことが認められ、会計監査事務にも現に従事していた趣旨の証人田渕の証言はにわかに措信しがたく他に右認定を左右するに足る証拠はないので、むめこの労働は殆んど会社業務の補助機関(使用人)としての事務であつたというべきである。
五、次に、原告会社と類似する法人における役員報酬の支払状況をみるに先だち、比較法人の選定につき前二項判示の趣旨により前三項判示の原告会社と業種、業態規模の会社として(A)広島国税局管内に納税地を有する法人並びに(B)成立に争のない東洋経済新報社発行統計月報記載の特別調査「府県別の経済力格差と消費購買力」に基く「一人当り消費購買力指数」により鳥取県と経済力の類似性を認められる福島、熊本、島根、佐賀及び鳥取県の五県内に納税地を有する法人中、金物卸売を業とし、本件事業年度に対応する事業年度の年間売上金額が三、〇〇〇万円以上三億円未満の法人で、しかも各種平均値を取るにつき、その余の原告会社の規模業態等(前三項、別表一)において比較にたえうべきものを申告会社の申告のままの数値に従つて調べるに、成立に争のない別表六(書証目録)一記載乙号各証、並びに証人米沢久雄の証言(第一、二回)と弁論の全趣旨によりその成立の真正を認める(但し、乙第一三八号証の一以下一七八号証の三迄の争ある乙号各証につき同証言第二回により右番号以前のそれについては同第一、二回による)前同表二記載の乙号各証と右証言(第一、二回)によれば、被告主張の別表二の法人中、(A)一の法人につき、(イ)鉄号(乙第一七号証の一乃至四)を除く計八社の非同族法人及び同(A)二の法人につき、(ロ)児玉寅之助商店(前同二六号証の一乃至四)、(ハ)鞆金属商事(前同四一号証の一乃至三)、(ニ)河田商店(前同六八号証の一乃至三)、(ホ)河田金物本店(前同七八号証の一乃至四)、(ヘ)中野金物本店(前同八〇号証の一乃至四)、(ト)小林保商店(前同八二号証の一乃至三)、(チ)福岡金物店(前同八四号証の一乃至三)、(リ)吉田金物店(前同八九号証の一、二)を除く計三一社の同族法人が、(B)法人につき、右(リ)を除く計二二社が原告会社と業種、業態規模として前二項にあげた諸点の内、相当数の役員報酬決定に影響すべき重要点につき類似していることが認めることができ、従つてこれらのみが本項で問題とする比較法人に該当するというべきである。右に除外した各法人は各括弧内に掲記の証拠によれば次の諸点で数値において原告会社のそれより著るしく少額又は相違が認められ、これらは報酬に影響を及ぼす事項と考えられるから比較法人として適当といえない。即ち、(イ)については別表一の11 12 16 18(いずれも少額すぎる)の諸点及び常勤役員の年令(二一才)経験(七ケ月余)その構成において、(ロ)については別表一の10 11 16(いずれも少額にすぎる)の諸点で、(ハ)については前同諸点の外使用人(なし)の点に、(ニ)については前同11 14 16の点(少額すぎ又使用人二人のみ)の外役員年令経過年数の諸点に、(ホ)乃至(リ)については前同10 11 16(各少額にすぎ、(ホ)(リ)については全部原告会社の三分の一以下(ト)については更に14の点においても)の諸点においてである。尚、以上認定を覆すに足る証拠はない。
六、ついで、前項に抽出した比較法人(以下抽出法人と略称する)における役員に対する報酬支払状況をみる。
(一) 先づ、会社の業務統轄ないし重要業務を担当する代表取締役の報酬月額についてみるに、先に成立を認めた乙第五一、二二号各証の二、九二号証の三によれば、(A)一抽出法人中の常盤金物及び同二法人中の原田金物店については単に相談役にすぎないこと、(A)二抽出法人中、山科金物店については女性であることが認められ、又先に認めた乙第一六二号証の三によれば、右の外(B)抽出法人中伊藤金物については女性であること夫々認められ、いづれも本件の如き男性代表取締役の報酬の平均値算定基礎として適当でないから、これらを除外することとして前掲別表六の書証により右平均値を算出すると(A)一の非同族抽出法人につき金三一、五五九円四〇銭、同(A)二の同族抽出法人につき金二八、九五七円五〇銭、(B)抽出法人につき金二八、九三五円七〇銭となり、個別的にみると前同証拠によれば金三万円以上支出している法人が(A)一につき七社中五社(最高額四〇、四一六円一社)で(A)二につき二七社中一四社(最高額四八、三三三円一社、次いで四二、五〇〇円、四一、三三三円各一社)(B)につき二〇社中九社(最高額五六、二五〇円一社、四万円台のものなし)でこれらはいづれも原告会社と業種(売上金、売上差益等)業態規模において近似性が強く、右平均値を下げた数値をもつ法人は右の点で類似性が少く、更に社長が顧問的な存在であることが認められ、右認定を覆すに足る証拠はない。
(二) 次に抽出法人につき各法人中(一名のみの場合は除く)二番目の高額報酬取得取締役の報酬月額につきみるに、別表六記載書証によれば、(A)一の非同族法人については七社中二七、〇〇〇円以上支出しているのが三社(最高二八、〇〇〇円)、二三、三三三円が一社で、一六、〇〇〇円以下の二社(秋本勇吉商店、宝和鋼材)については両社共に売上及び利益規模共に原告会社よりはるかに低く又当該役員自身についても房太郎と年令、経歴(前者につき元使用人)、経験年数につき格段の差があること、(A)二の同族法人については、二五社中金二五、〇〇〇円以上支出法人が一〇社(最高額三〇、〇〇〇円二社、右未満二八、〇〇〇円以上二社)で、二〇、〇〇〇円以下の法人は殆んどが経験年数少ない青年であつたり又売上及び同差益等の規模において原告会社と格段の差があること、(B)法人については二〇社中二〇、〇〇〇円以上支出会社は一五社内二五、〇〇〇円以上のが七社で(最高額三〇、二九二円一社、三〇、〇〇〇円二社)二〇、〇〇〇円以下の法人については前同様の特異性が認められ、更に右各々につき一応平均値を算出(性別前認定の特異性の外最高額者の半額以下であること等により当該役員が房太郎の地位と著るしく相違していると推認しうるものは算出基礎より除いた)すると、(A)一法人につき(秋本勇吉商店を算定基礎より除き)二三、九四三円、(A)二法人につき(小田岩、有田金物、大田金物、久山利雄商店、藤原忠太郎商店を除く)二三、五七四円、(B)法人につき(井上金物店、亀平商店、伊藤金物、清水宇蔵商店、藤原忠太郎商店を除く)二三、九七三円となることが認められ、右認定を覆すに足る証拠はない。
(三) 次に抽出法人につき、年令六〇才以上の男性、常勤代表取締役社長の報酬支払状況をみるに、前掲別表六記載書証によれば(A)法人につき最高額は三〇、〇〇〇円で三社、(B)法人につき、最高三五、〇〇〇円、次いで三〇、〇〇〇円各一社で、前項記載の特異性が認められるものについてはこれを算定基礎より除外してその平均値を算出すると、(A)法人(岩根金物店、常盤金物、志熊商店を除く)につき、非同族法人については結局一社のみで二八、〇〇〇円、同族非同族全体の平均は二六、一〇〇円、(B)法人につき二五、七五〇円と認めることができ、右認定に反する証拠はない。
(四) 本抽出法人における監査役の報酬支払状況についてみるに、争あるものについては先に成立を認めた別表六記載書証によれば、抽出法人中(A)(B)法人を通じ、常勤監査役をおくものは(A)一(非同族)法人七社中一社(非常勤二名併置)(A)二、(B)(同族)法人計二一社中五社のみで、両者(非常勤者は無報酬)各一名併置するもの二社で、その余はすべて((A)一につき六社、(A)二、(B)につき一四社)非常勤監査役をおくのみで、その報酬支払状況は、非常勤者については、(A)一法人では三、〇〇〇円のもの一社、(A)二、(B)法人では一四、〇〇〇円、一五、〇〇〇円、一二、五〇〇円のもの各一社を除きすべて無報酬で、右(A)二、(B)の平均値は一〇、五〇〇円となる。これに対し、常勤監査役については同族非同族を問わず殆んどが使用人業務を兼ね、全員報酬を受け、(A)一の一社(外交員兼務)は月額一七、一六六円、(A)二、(B)については高額に二一、六〇〇円、一七、〇〇〇円各一社をもつ外は一〇、〇〇〇円以下で、その平均値は月額一三、一五七円であり、因みに(A)一、二法人中経験年数一〇年以上の女子使用人の報酬月額平均値は一一、〇八七円、(B)法人のそれは七、六〇一円と認めることができ、右に反する証拠はない。
(五) 最後に抽出法人につき女子常勤役員の報酬支払状況をみるに、前同記載書証によれば、(A)法人につき計一一名、平均値は一二、二七八円、(B)法人につき計一三名、一二、〇五一円で監査役はすべて一〇、〇〇〇円前後以下であることが認められ、右に反する証拠はない。
七、更に成立に争ない甲第一〇号証によれば、米子商工会議所が国税庁調査にかかる民間給与実態調査の内役員給与額により調べたところによると、本件事業年度である昭和三一年における資本金二〇〇万円以上一、〇〇〇万円未満の株式会社の役員の一人当り平均給与(賞与を含まない)月額は金二八、八〇八円であると認めることができ、右に反する証拠はない。
八、そこで、房太郎の報酬否認について考えるに、抽出比較法人における二番目の高額報酬取締役及び六〇才以上の男子常勤代表取締役の報酬状況(就中高額者の人数とその額)は前認定(理由六、七)のとおりで、その最高額及び平均値と房太郎の報酬月額金三〇、〇〇〇円を比較すると右は抽出比較法人のいづれのグループをとるもその最高額に足らず、又各グループの平均値に対しても一二六%に達しないことが明らかであるところ、これに前示(理由四(一))の房太郎の職務内容、性質よりして平均的代表取締役更にその内の六〇才以上の者及び二番目の高額報酬取得取締役の平均人に比し特に低報酬を受くべき所以なく、むしろ後二者の平均人に対してはその高額報酬者層に入るべき点、更には前示(理由七)の概ね非同族法人と目さるべき資本金二乃至一〇百万円の株式会社における役員報酬平均値を考え併せれば、原告会社が房太郎に報酬月額として金三〇、〇〇〇円を支給することは特段の事情も認められない本件においては、適正報酬額をこえたもの、そしてこれを全額損金に算上することが法人税法第三一条の三にいう同族会社の恣意的計算であると認めるに足らないというべきである。従つて、右報酬月額中金七、〇〇〇円を右法条により否認してなした被告の本件更正決定(審査決定により取消されずに残つた部分)は違法たるを免れない。
九、次にむめこの報酬否認の適否について考える。先づ、商法第二七五条、第二七六条、有限会社法第三四条によれば、有限会社の監査役は取締役又は支配人その他の使用人を兼ねることを禁止され、又その職務内容は会計監査に限られ業務監査は取締役に委ねられているから、その報酬もかかる法的制限に服する労働の対価として定むべきで、右禁止に反し他の業務(使用人)を兼務してもかかる事務部分に対する対価を監査役報酬に含めるべきでないと解すべきところ、本件ではむめこの従事する職務は前認定(理由四(二))のとおり使用人事務を主とし、監査役業務には殆んど従事していないのであるから、本来その報酬は一般の平均的監査役より相当程度低額であるべきである。ところで、前認定(理由六(四))のとおり抽出比較法人の常勤監査役は殆んど使用人業務をかね(同族非同族共に)ており、しかもかかる法人において右使用人事務に対する対価が監査役報酬に含まれていることは前同所認定の非常勤監査役の報酬額に比し明らかであるから、監査役事務そのものに対する対価たる報酬支払状況をみるにはむしろ非常勤者のそれと比較する方が妥当というべく、又前示のむめこが役員としては本来低報酬たるべき点よりして更に女子役員の報酬平均値との比較も参考になるので、以下右と本件事業年度のむめこの否認前月額報酬三〇、〇〇〇円と否認された後のそれと一七、〇〇〇円を比較してみると三〇、〇〇〇円は、(イ)非常勤監査役の報酬月額平均値の約三倍(但し、同族法人のもの、非同族一社に対しては約一〇倍)、(ロ)非同族会社女子役員報酬月額平均値の二四四%にのぼり、否認後の一七、〇〇〇円は右(イ)の約一六二%(前同約五倍)、右(ロ)の一五四、七%になり、否認前後を問わず右監査役の報酬最高額をこえること明らかである。そしてこれに、前認定(理由六)のとおり抽出比較法人においては使用人業務を兼務しない者は殆んど非常勤しかも無報酬である一般的傾向とむめこの本来低報酬たるべき職務内容の制約とを考え併せれば、むめこの報酬月額三〇、〇〇〇円は著るしく適正報酬額をこえるものというべく、これを全額損金に計上することは法人税法第三一条の三により同族会社の恣意的計算として否認さるべきは勿論のところ、その否認の限度は上述のところよりして、少くとも想定適正報酬額を大巾に上まわる一七、〇〇〇円をこえる部分即ち一三、〇〇〇円を下らないものと認むべきである。従つて、これを一三、〇〇〇円限度に止めて否認した被告の本件否認は適法であるというべきである。
一〇、以上の次第であるから、法人税額計算に当つては原告会社が本件事業年度に房太郎に支払つた報酬金額は損金に計上すべく、むめこに支払つた報酬中月額一七、〇〇〇円をこえる部分計一五六、〇〇〇円は利益の処分たる賞与的なものとみなすべく、これは益金に計上すべきものである。そして、原告会社につき、法人税法第一七条の二により法人税額を算出するに必要な基礎項目及び数額については被告主張(事実第三、(被告主張)一)のとおり当事者間に争がない上、上述の房太郎の報酬月額七、〇〇〇円の損金計上を否認した違法を除き、他に本件更正決定には違法を認むべき資料はない。そこで、原告会社の本件事業年度の法人税額を法人税法第一七条、同条の二により算出すると、別表Bのとおりであつて結局法人所得に対する税金一、七六二、三六二円、留保所得に対する税金九七、七九三円、控除税額金五、〇九〇
A
B(項目A表に同じ)
備考
A
B
〔I〕
所
得
(1) 原告会社決算書に計上された所得金額
四、〇五三、四八三円
同上
注(1)
(2) 加算額
納付した所得税額(法人税法第一〇条二項)
五、〇九〇円
同上
役員報酬否認額
二四〇、〇〇〇円
一五六、〇〇〇円
この項目のみ争あり
還付加算金
一八、一九七円
同上
(2)
(3) 減算額
受取配当金(法人税法第九条の六)
三三、九三九円
同上
減価償却の償却超過額の当期認容額
二、六五四円
同上
(3)
(4) 差引所得金額(1)+(2)-(3)
四、二八〇、一〇〇円
(国庫出納金等端数計算法第五条)
四、一九六、一〇〇円
〔II〕
課
税
留
保
金
額
(1) 決算書に計上された所得金額の内留保した金額
二、九七八、四八三円
同上
(2) 加算額
還付加算金
一八、一九七円
同上
(4)
(3)
減
算
額
減価償却の償却超過額の当期認容額
二、六五四円
同上
(5)
支払法人税に対する延滞加算税
三九二円
同上
(6)
当期の所得に対し課せらるべき法人税額
一、八〇二、九九〇円※
一、七六五、九六二円
(7)
当期の所得に対し課せらるべき地方税額
二五四、八六九円
二四九、七三〇円
(4) 差引課税留保金額(1)+(2)-(3)
九三五、七〇〇円(I(4)記載法条)
九七七、九三二円
〔III〕法人税
(1) 法人所得に対する税額(I(4)の四二%)
一、七九七、六四二円
一、七六二、三六二円
法人税法第一七条第一項
(2) 留保所得に対する税額(II(4)の一〇%)
九三、五七〇円
九七、七九三円
右同法第一七条の二第一項
(3) 控除税額
五、〇九〇円
同上
(4) 差引法人税
一、八八六、一二〇円
一、八五五、〇六五円
円、差引法人税額一、八五五、〇六五円となる。
従つて、これと異なり本件事業年度の法人税額等につき法人所得に対する税額を金一、九五三、五八〇円、加算税額を金九、二五〇円合計一、九六二、八三〇円となした被告の昭和三〇年一一月二五日付更正決定(但し同三三年一〇月三日付審査決定により右の内前者につき金六七、四〇〇円、加算税額に四、五〇〇円が取消済である)は、右算出にかかる基本法人税額(法人所得に対する税)金一、七六二、三六二円、加算税額(留保所得に対する税)金九七、七九三円、控除税額金五、〇九〇円、差引合計法人税額金一、八五五、〇六五円をこえる部分につき違法であるというべく取消を免れない。
一一、そうだとすると、本件更正決定中基本法人税額金一、六九〇、三三二円、加算税額一〇五、一五〇円、控除税額金五、〇九〇円、差引法人税額金一、七九〇、三九〇円をこえる部分の取消を求める本訴請求は前項で取消さるべきとした部分につき理由があるというべく該部分に限り認容することとし、その余の請求を棄却することとし、訴訟費用の負担につき民事訴訟法第八九条第九二条を各適用して主文のとおり判決する。
(裁判官 秋山正雄 今中道信 杉本昭一)
別表A(被告主張) B(当裁判所の判断)
注 (1) 以下いづれも決算書(甲七号証の四)及び同添付書類による。以下原告会社経理とはこれをさす。
(2) 原告会社が係争年度中に還付を受けた過納法人税に対する還付加算金五、四四〇円と過納市民税に対する還付加算金一二、七五七円の合計額、原告会社経理では益金に入れていないのは不当であるから加算した。
(3) 原告会社の建物、什器及び車輌に対する減価償却につき、前期から繰越した償却超過額(後記法条規定範囲をこえるため損金に算入されなかつた)が金二〇、〇二八円あり、一方原告会社が係争事業年度に行つたこれ等の固定資産に対する減価償却額は金二九、六九九円であり、これは法人税法施行細則第三条の二に規定する償却範囲額三二、三五三円に二、六五四円不足する。そこで、前記繰越超過額のうち右不足額を損金と認め、原告会社経理に反し、これを所得から減算した。
(4) 当期所得のうちから留保したもので、これを(1)に入れていない原告経理は不当であるから加算さるべきものである。
(5) 減算理由 (3)に同じ。
(6) 国税徴収法第九条第三項によるもので、原告会社経理では資産に計上しているが既に社外に流出したもので資産の性質なく留保金額にならないと解し減算した。
(7) A「III」(1)と過少申告加算税の合計額であり、後者は法人税法第四三条第一項により課したもので、その計算根拠は左のとおりである。
{A「III」(1)-同(3)}-{確定申告にかかる所得に対する法人税額1,690,332円-A「III」(3)}×5/100(千円未満端数については右同法第四二条第四項により切捨)
尚、※印につき原告主張金一、八〇二、三九〇円は従つて「II」(4)の主張金九三六、三〇〇円は誤記と認め本表のとおり訂正する。
別表一
調査事項
No.
有限会社高林房太郎商店
(1)
法人名
米子市博労町1の97
(2)
納税地
米子税務署
(3)
管轄税務署名
金物、度量衡器卸小売
(4)
営業種目
自昭和29.7.1―至同30.6.30
(5)
事業年度
3,500(千円)
(6)
期末資本金
同族会社
(7)
同族、非同族別
青色申告
(8)
青色申告別
昭和16年8月
(9)
設立年月
95,218(千円)
(10)
売上金額
11,018(千円)
(11)
売買差益金額
3(人)
(12)
常勤役員数
1,200,000円
(13)
役員報酬金額
14(人)
(14)
使用人の数
1,490,288円
(15)
使用人給料総額
4,535(千円)
(16)
営業利益金額
4,024(千円)
(17)
所得金額
33,333(円)
(18)
常勤役員1人当報酬月額
44.6%
(19)
(13)+(15)に対する(13)の比率
1.26%
(20)
(10)に対する(13)の比率
注 (14)は事業年度末現在の人員である。
(15)は原告会社が被告に提出した確定決算書による。
(16)は原告会社確定決算書(甲第七号証の四)の中、営業損益計算書の販売差益金一、〇一八、四七八円から営業費六、四八三、四一九円を差引いた金額である。
(18)は(13)を(12)で除し、更に一二分したもの。
別表二(比較法人名簿)
(A)法人
一、非同族法人(すべて株式会社である)九社
広島金物、秋本勇吉商店、山陽鋼材、鉄号、菅野商店、宝和鋼材、常盤金物、日機産業、桑田鉄鋼
二、同族法人(有限会社は(有)、合資会社は(資)と略称を符さないものはすべて株式会社である)三九社。
大木鋼機、田島商店、山科金物店(有)、児玉寅之助商店、宮地金物、富永商店、鞆金属商事、岩根金物店(資)、小田岩、有田金物、太田金物、長宗商店(有)、北田鋼管、宮本金物店、日建商会(有)、下関金物、山田商店、志熊商店、大田金物店(有)、河田商店、久山利雄商店、岸本鋼材、大森鋼材店、内田金属、小山鋼業、河田金物本店、中野金物本店、小林保商店(有)、福岡金物店(有)、多田官本店、坂本鋼材、吉田金物店(有)、原田金物店(有)、藤原忠太郎商店、永見金属、三和興業、大島屋商店、丸田金物、木村金物店(有)、
(B)法人(法人の種別については前項二に同じ外、合名会社については(名)と略符を付する)二二社
鉄屋本店(資)、井上金物店、京和商事郡山営業所、会津金物、鶴巻兄弟商会(名)、亀平商店、伊藤金物、中原金物店(資)、横尾商店(有)、北古賀本店(名)、清永宇蔵商店(名)、伊藤金物店、後藤商店(資)、広岡金物店(有)、藤浦金物(資)、原田金物店(有)、及び前項二、記載藤原忠太郎商店以下六社。
別表三
原告会社
比較法人
広島国税局管内
福島、熊本、鳥取等五県内(全部同族法人)
非同族法人
同族法人
一人当り平均報酬月額の平均値
三三、三三三円
二五、〇九五円
二三、四八二円
二一、二七七円
売上に対する役員報酬割合
一、二六%
〇、八四%
一、〇九%
〇、九三%
給与総額に対する報酬の占める割合
四四、六%
二九、三%
四一、七%
三五、二%
別表四
広島国税局管内
福島、熊本、鳥取等五県内
(全部同族法人)
非同族法人
同族法人
該当役員数
平均報酬月額平均
該当役員数
平均報酬月額平均
該当役員数
平均報酬月額平均
(1)
七名
二二、五九四円
三三名
一九、七四四円
二一名
二一、七八一円
(2)
二名
二一、九五八円
一七名
一八、七〇三円
一三名
二一、〇八八円
(3)
二名
二二、〇〇〇円
七名
二三、〇〇〇円
(4)
一名
一四、一六六円
三名
一九、三三三円
二名
二二、七五〇円
別表五
(1)
八名
一二、一七九円
五名
一四、四二〇円
(2)
A
一三名
一一、五四三円
一四名
一一、九〇五円
B
四名
一二、二九一円
五名
一〇、六〇〇円
(3)
六名
九、四三〇円
六名
七、一六七円
別表六(書証目録)―乙号証―<省略>